第12回世界プロサッカー挑戦セレクション(6月23日東京大学検見川)
特別審査員
アシル・トレゾール(フランス国籍)
1979年フランス・パリにて、アフリカ・コートジボワール系移民の両親から生を授かった。家庭は貧しかったものの、「プロサッカー選手として成功を収め、家族を幸せにしたい」という大志を抱き、物心がついたときからサッカーボールを蹴っていた。
持ち前の身体能力に加え、抜群のテクニック、スピードを誇り、「ジダンを超える逸材」とのユース時代には高い評価を得ていた。18歳の時点で、フランスの名門ゴブロンのトップチーム入団を果たし、念願のプロサッカー選手としてのキャリアをスタート。
ゴブロンのエースとして活躍を果たし、フランス代表入りが噂されることがあったが、まさしく有名税が、若き日のアシルを見舞う。相手選手の悪質なファウルの餌食になり、大怪我を負い、長期離脱することも度々あった。
「怪我には絶対に負けない」と強い気持ちで日々のリハビリに励むアシル。監督、メディカルスタッフ、チームメイトの励ましもあり、戦線離脱の度に復帰し、ハイパフォーマンスを披露し、サポーターからスタンディングオベーションが送っていた。
アシルは、代理人を付けずに自身の力で、毎シーズン末の契約交渉を行っていた。怪我もあり選手生活はそう長くないと捉えており、セカンドキャリアを選手代理人と定め、その準備として契約交渉を独自に行い、代理人としてのスキルを磨いていった。
チームメイトや対戦相手、友人・知人とのパイプを強くし、現役時代からフランス各クラブ、スペインやベルギーなどの近隣国、デンマークやスウェーデンなどの北欧諸国、アメリカやアジア各国のクラブの関係者とコンタクトを取るようになった。
ハードワークの末、築き上げたネットワークにより、アシルは、ギリシャのクラブの入団テストをアレンジすることに成功した。アシルはハイレベルなプレーを見せ、プロ契約を提示されたものの、育児や子供の教育問題などによりフランス国内でプレーしたほうがいいと判断し、ギリシャのオファーを拒否せざるを得なかった。
5年前、アシルは惜しまれながらも現役生活にピリオドを打った。そして、選手代理人の転身した。
仕事は常にハードワーク、オフは優しくフレンドリーな性格から、数多くの選手からの人望は厚く、アーセナルの英雄であり、ワールドカップ出場を果たした元コートジボワール代表エマニュエル・エブエや、フランス・リーグアンの顔ともいわれるボルドーで活躍したマリ代表アブドゥ・トラオレからマネージメントのオファーが届き、ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国(タイやベトナム、インド)とのクラブと交渉に励んだ。
元バルセロナで、フランス代表一時代を築いたリリアン・チュラムや、マルセイユでフランスリーグアン得点王に輝いた元セネガル代表ママドゥ・ニアンとも親交を持つ。
最近では、元U-20フランス代表サメド・キリッチ、元セネガルオリンピック代表マガイエ・ゲイエをトルコの名門アダナスポルに移籍させるなど、グローバルな活躍は光っている。
日本人選手のフランスを始めとするヨーロッパ移籍に大きな関心を持っており、昨年7月開催の第10回世界プロサッカー挑戦セレクション合格選手(19歳)に、1部にステップアップする最初の一歩としてフランス5部の入団テストをアレンジし、オファーを勝ち取る一助となる敏腕ぶりを遺憾なく発揮。
「日本人選手は底知れぬ可能性を秘めている。フランスやヨーロッパ各国では、日本人選手を獲得したいという大きな需要がある。世界プロサッカー挑戦プロジェクト、テクニカルダイレクター・森本高史と私が手を組めば、数多くの日本人にフランスやヨーロッパ各国でキャリアをスタートさせることは可能だ。1人でも多くの選手に、第12回世界プロサッカー挑戦セレクション(6月23日東京大学検見川開催)に参加し、大きなチャンスをつかんで貰いたい」と目を輝かせながら語るアシルのモチベーションの高さは尋常ではない。
フランスサッカー事情
リーグアンと呼ばれるトップリーグは、プレミアリーグ(イングランド)、リーガ(スペイン)と並び、世界5大リーグと呼ばれるほどハイレベルなリーグ。2017−18年シーズンは、酒井宏樹選手(マルセイユ)、川島永嗣選手(メツ)ら日本代表の主力選手がプレーした。過去には、松井大輔選手(ルマンやサンテチエンヌなど)、稲本潤一選手(レンヌ)、中田浩二選手(マルセイユ)など日本代表のワールドカップ戦士が多数プレーしていた。
1部、2部、3部がプロリーグ、4部以下は、プロ、セミプロ、アマチュアが混在する(クラブの財政事情によって異なるなります)。
フランスでは、29歳以下であれば、ワーキングホリデービザ取得ができるので、もしセミプロ契約、アマチュア契約となっても現地で仕事をし、生活に必要な資金を稼ぐことは可能(フランス在住となりますので、現地人とのコミュニケーションは必須です。言葉が話せないと、仕事を見つけるのは困難となります。フランス語、英語の習得をよろしくお願いします)。
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